七転八倒

022405 232221.jpg 船長日誌 西暦050225 03.38
 
 商人ギルドの依頼を果たし、本拠地ロンドンに戻ると旧知の友人の食料商エリシアがいたので「儲かりまっか?」「ぼろぼろでんな」と商人らしく挨拶を交わす。ついでに近隣の街の位置、景気、狙い目の交易品について情報を交換。
 話を聞いてみるとエリシアの方はそこそこ順調に進んでいるらしく新しい船が欲しいなどと贅沢なことを言っている。こっちは水夫の人件費やら飲み代やら諸経費以外は使ったこと無いという貧乏生活送っているというのに何が違うんだろう。・・・値引き交渉と吹っかけの成功率の差以外は大して違いが無いはずなのに。ちなみにロンドンに帰りついて積荷を売りさばくまでの交渉結果の戦績は0勝6敗。
 商人ギルドで新たな依頼を受けたので、エリシアと艦隊行動を取りつつアントワープアムステルダム経由でハンブルグへと向かう。特に何事も無くアムステルダムで補給後、一路ハンブルグへ。
 後ろで見ているといきなり旗艦であるエリシアの船で叛乱が発生。普段の水夫の扱いが悪いから、不満が爆発したんだろうか?とりあえずこちらでは鎮圧手段も無く手が出せないため、ただ見守るのみ。
 叛乱は収まったものの、どうやら騒動を起こした船員がマストに吊るされたらしい。さすが海の漢、やることが荒っぽい。などと思っていたら、うちの船では新米水夫がホームシックにかかったと軟弱な報告。白状するとうちの水夫連中は航海に出て毎度毎度1週間もしないうちにホームシックにかかる。貴様らほんとに海の漢なのか?こんな軟弱な海の漢なんて呼ぶのもおこがましい腑抜け共は首にしてやりたいが他の水夫雇う余裕もないし、今のところは妥協しておくが、いつか絶対クビにしてやると心に誓う。がっでむ。
 前述の船員関連で多少のトラブルはあったものの、他に問題も無くハンブルグ到着。積荷を売りさばき、見慣れない交易品が目についたので、ためしにいくつか仕入れてみる。交渉戦績は0勝9敗、記録更新中。

 ロンドンに戻り、今まで溜めた小銭を一気につぎ込んで商人ギルドのマスターから待望の繊維取引と縫製のコツを教えてもらう。やっと紡績商らしくなってきた。その後、エリシアと別れ単独行動を取り各地を巡りながら小銭を稼いでいると生産するにはレシピが必要ということを小耳にはさんだので、織物秘伝・素材の書と船大工入門・縫製の書を購入。
 なるほど材料を買ってこないと縫製は出来ないんだなと、羊毛を大量に買い込む。さて、材料買ったしいざ初生産!と思ったら必要なのは「羊」で作れるのが「羊毛」であることが判明。あはははははは・・・だめじゃん。泣。

 気を取り直し、無駄に買い込んでしまった羊毛をギルドの依頼こなすついでに処分。おお、やっと交渉成功!1勝9敗。やっと商人としての栄光への第一歩を踏み出したような気がするが、冷静になって考えてみると成功率は1割。このペースだとまともに値切り・吹っかけ交渉が成功するようになるのはいつの日になるやら。

 ロンドンに戻りダブリンへ向かうギルドの依頼を受ける。初めて向かう街だけに正確な位置もわからず、判明しているのはブリテン島の西ということだけ。多めに水と食料を積み込みいざ出航。雨が振ってきたと思ったらいきなり嵐になった。初めての嵐遭遇だけに、水夫達はパニック。強風でどんどん船は流され船長はもっとパニック。どうしよう!?と思ったら今度は波に水夫が浚われたとの報告。そんなん言われても知らん、こっちそれどころじゃない。
 なんとか嵐を乗り切ったが見慣れない陸地で地図を見ても、ここがどこなのかさっぱりわからない。船を進めるとなんとなく見覚えのある陸地と街が見える。どこだろうと確認してみると、ロンドン。逆方向に進んでいたというか戻っていたらしい。よく見ると地図をさかさまに見ていたらしい。・・・へなちょこと馬鹿にしていた水夫達の視線がちょっと痛いが、心に棚を作るスキルは習得済なので特に問題なし。

 補給と修理を済ませた後、再度ダブリンへ向かうが街の正確な場所がわからず、右往左往。近くまで来てるのは間違いないはずなんだけどな?と海図を確認していると陸にはまり、船が動けなくなる。あうち。
 進路を沖へと向け、なんとか航路に復帰。と思ったらいきなり海賊の奇襲!武装も全くしてないので当然逃げの一手。が、ろくに動かないうちに十字砲火を浴び、あえなく撃沈されてしまい、難破漂流した後、付近を通りがかりの巡視艇に拾ってもらいロンドンへ舞い戻る。修理代が痛い。

 この程度のトラブルに負けるものかと補給を済ませ、再々度ダブリンへ向かう。

 今度は船で火災発生。きゃー、積荷が燃える誰か止めてー。泣。
 なんとか水夫達の活躍で火災は鎮火したが積荷の被害と船の損傷が結構痛い。ロンドンとダブリンの中間あたりにあるプリマスへ向かい、修理と補給。なんか修理代ばかり湯水の如くとんでいく。街中でベルゲンってどこですかー?と聞いて廻っている人がいたので大雑把な位置を教えてあげる。行ったこと無いけど。
 情けは人のためならず。自分がへこんでる時は特に人に優しくなれる。知らない人とのわずかながらの交流のおかげで、トラブル続きでノックアウト寸前の精神状態がわずかながら回復。いっそ一思いに殺してくれという心境にまでへこんでたのは秘密。

022505 120353.jpg なんとなくまだまだトラブルに襲われそうな気がするけど、考えないことにし、ちくしょう、絶対ダブリンにたどり着いてやる!と心に誓う。